こんにちは

先週、友人で画家の馬場健太郎くんが小さな絵の作品をfog に届けてくれました。しばらくお預かりして展示販売をしています。ご興味のある方はお問い合わせください。


作品解説を頂きました。
技法はすべてコットンキャンバスに膠層を施し、アクリル系の絵の具で描いたモノです。

数年前、南仏ヴァンスの街を18年ぶりに歩いた。
マチスが最晩年制作した礼拝堂に向かう坂道を登りながら、記憶の中にある風景と目の前にある現実の風景の差異に対して、確かさと曖昧さを交互に感じた。思い出と言うモノは、都合の良い様に後から編集される様で自分がいかにドラマチックに記憶を作り上げていたかと思うと多少恥ずかしい気持ちにすらなった。賑やかな街の中心部を抜けゆるやかに曲がる坂道を上る感覚は、かつて感じた「あの感じ」だと確信した。しかし糸杉を揺らす暖かい風、番犬の吠える声が「現実」と「記憶」のズレの間を行き来させてくれ、するとありがたい事に、「あの感覚」を呼び起こしてくれた。その記憶あるいは、想像の中の光景と現実の風景との間にあるものに、なにか重要な事柄が隠されているのではないかと考えている。


森で出会う 2009年制作 ¥37,800
私のアトリエの裏にはかつて古墳だったらしい小さな雑木林の森がある。気分転換にしばしば散歩をします。そんな森で出会った植物をモチーフに描いた作品です。


東へ向かう日  帰路  2009年制作 ¥37,800
私の作品タイトルは「東」や「西」と言う方角を用いる事がおおいのですがそれは、西は、はじまりの高揚感を意味した心象風景であり
東はひとつの区切りの様な心象を表したものです。東京から私の生まれた長崎に戻る時は西に向かう訳ですから一時的な安堵感を感じつつ向かい。ミラノに向かうときも家に帰る様な気持になります。そう言った移動しながら感じる事をかたちにしたものです。


クレバス 2009年制作 ¥37,800
クレバスとは、氷河の割れ目の事を意味します。かつてミラノに滞在していた頃、なんどかスイスのチェルマットに行きました。アルプスのふもとの街に宿泊し、冬山の氷河を真上から見た時に感じた畏敬の念の様なモノをかたちにした作品です。


http://www4.plala.or.jp/kentarobaba68/